
行政(地方自治体)の審査結果や判断に対して、「なぜ却下されたのか」「どう判断されたのか」がわからず、もやもやしたことはありませんか?
実は、私たちは誰でも、自分に対する行政の審査の記録を「開示請求」で確認することができます。
私は、身体障害者手帳の申請で「診断書は2級で申請したのに、なぜ5級・却下と判定されたのか」を知りたくなり、東京都に対して 保有個人情報開示請求 を行いました。
行政への開示請求というと難しそうに聞こえますが、実際にやってみると手順はシンプルで、誰でも申請することができます。
この記事では、私が実際に行った開示請求の流れ・費用・期間・注意点などを、できるだけわかりやすくまとめました。
なお、ここで紹介する内容は「東京都の場合の一例」です。
自治体によって手続きや開示範囲が異なるため、参考としてご覧ください。
開示請求の種類:「保有個人情報開示請求」とは
行政への開示請求には2つの種類、
「保有個人情報」と「公文書」があります。
今回は、私自身の審査内容についての開示請求のため、「保有個人情報開示請求」を行いました。
2つの開示請求の違いや、「保有個人情報開示請求」の詳細は以下の記事をご参照ください!


開示請求したきっかけ
- 身体障害者手帳の申請結果に納得できず、
審査過程を確認したかった。 - 区役所で聞いた口頭の説明には納得できず、
書面で納得できる理由をみたいと思った。 - 審査請求(不服申し立て)を行うこととなり、
そのために正式な開示請求を決意した。
保有個人情報開示請求の実際の手続きの流れ(東京都の場合)
私は東京都に対して開示請求を行ったため、
東京都の例について記載させて頂きます。



他の地方自治体のHPもいくつか拝見しましたが、
どこの自治体も概ね同じような方針だとは感じました。
ただ、自治体ごとに細かいルールや方法に違いはあるため、
申請される際には、
「○○(自治体名)、保有個人情報開示請求」で検索して、
あなたのお住いの自治体の手順を確認してください!
HPでは、まずは、
窓口への事前相談が推奨されています。



私はこの事前相談(電話)で、開示請求の方法の詳しい説明と注意点、個人の請求内容や事情に合わせた適切な方法をアドバイスして頂きました。
電話の初めは、「私自身の身体障害者手帳の審査内容に疑問があるため、審査内容に関する情報・記録の開示請求をしたいと思い、HPを拝見して事前相談のお電話をさせて頂きました。」と伝えました。
あとは、先方の質問に答えていく形で、簡単に話が進みました。
東京都の場合(2025.6月時点):
HPに記載されている開示請求総合窓口は「東京都総務局総務部情報公開課」(05-5388-3135)です。
私はここに電話を掛けた後、主務課(実際に資料を保有する課)の窓口と相談するように言われ、
下記の電話番号を教えてもらいました。
障害者手帳に関する開示請求の主務課窓口(東京都):
「東京都心身障害者福祉センター障害認定課障害者手帳担当」(03-3235-2963)
こちらの主務課窓口で、上に書いたような細やかなアドバイスを頂きました。



東京都で手帳に関連した開示請求をする方は、初めから下の番号にかけて良いと思います!
東京都では、オンライン・郵送・窓口の3つの方法で開示請求の申請ができます。
東京都の場合、郵送と窓口で必要な申請書は、HPから印刷ができます。
また郵送の場合には、事前相談の上で、最低必要事項を既に記載した用紙を、自宅に郵送してもらえる可能性もあります(私はご提案頂きました)。
- オンライン:
携帯作業が苦でない方には、一番楽な方法だと思います。
ただ、東京都ではマイナンバーカードと「マイナサイン」アプリをダウンロードしたスマートフォンが
必要です。
- 郵送:
私はマイナンバーカードを作成してしていないので、この郵送を利用しました。
東京都では、申請書と本人確認書類1種類と住民票が必要でした。
- 窓口:
近くに窓口がある方、外出が苦ではない方にとっては、その場で質問などもできるので良いかもしれません。
東京都では、申請書と本人確認書類1種類が必要です。



私はマイナンバーカードを作っていないため、郵送で申請しました。
電話相談の際に、担当の方が、「署名だけすればよい申請書を作成して郵送できる」と提案してくださいましたが、私は請求内容が多かったため、口頭で伝えるより自分で入力した方が楽だと判断し、HPから申請書をダウンロードして、電話で指示頂いた通りに自分で入力・印刷して作成しました。
①申請書、②住民票、③個人情報確認資料(私は免許証のコピー)の3点を、郵送して申請しました。
原則、開示請求書が届いた翌日から30日以内に、
開示できる情報があるか否か、決定内容の通知書面が届くそうです。



私の場合は、30日ぎりぎりで郵送で通知が届きました。
私は外出が難しいため、「開示の実施の方法」を「郵送での写しの交付」と依頼していました。
そのため、この開示内容の決定通知とともに、「郵送での写し交付の手続きの案内」が送られてきました。
東京都の場合、開示を受ける方法は、事務所での「閲覧」「視聴」「写しの交付」、郵送での「写しの交付」から選べました。「写しの交付」には印刷代等がかかります。



私は、郵送での写し交付のために、STEP3で届いた案内の通り、
以下3点を現金書留(590円でした)で送付しました。(家族に依頼)
①同封されていた保有個人情報の開示(写しの交付)申込書(署名)
②開示手数料 610円の現金(10円×61枚の計算)
③写し送付用の送料 720円の切手(定形外郵便手数料510円+特定記録郵便210円)
その数日後に、㋐開示書類の写し、㋑領収書、㋒個人確認書類(返却)の3点が届きました。
(東京都の場合、原則として、受領した日の翌開庁日に発送とのこと)
出典:東京都の場合、詳細は以下のリンクをご確認ください!
私が実際に身体障害者手帳の審査内容に関して開示請求した内容とその結果、良かった点、反省点と改善案
ブログが長くなってしまうため、具体的な内容は、以下のブログに分けました!
あわせて読んで頂けますと幸いです。
<2025/10/10公開予定>
注意点・例外



開示請求を行っても「開示できない情報」「非公開扱いになる部分(担当者の名前や、他の人の個人情報を含む部分など)」「請求しても拒否されるケース(非開示の決定)」がある可能性もあります。
最後に



実際に開示請求をしてみた結果、
手続きは簡単で体や脳・経済面での負担が少なく、
その割に得られるものがあると感じました。
私の場合は、家族にポスト投函と現金書留の郵送をお願いしましたが、
私自身は家から一歩もでることなく手続きが出来ました。
電話・申請書の作成もあわせて30分もかかっていません。
「開示請求」と聞くと、とても大変なことにように感じて身構えていますが、実際に行ってみると、手軽にできる手続きでした。
「知る」ことは、前に進むための第一歩だと思います。
私は、理由を知って、もやもやがなくなりました。
さらに、次の申請の参考にできたり、もしも審査請求(不服申し立て)を検討する場合には、その根拠にすることができます。
行政からの決定事項に不服のある方、
まずは開示請求をして理由を知ってみることはいかがでしょうか?
なお、注意して記載したつもりですが、誤りや古い情報がある場合には、
大変お手数ですがご一報いただけますと幸いです。
この記事が、同じように悩んでいる方、福祉の理不尽さで苦しんでいる方、行政手続きに不安がある方の一歩につながれば嬉しいです。
どうか、焦らず、ご自身のペースで。
ご体調が悪い中、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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